バイナリーオプションは危険な投資法なのか?

バイナリーオプションはギャンブル性が高い投資だとよく言われています。世の中には株式や債券、FXなどのような様々な投資がありますが、その中でもバイナリーオプションは危険な投資法なのでしょうか。バイナリーオプションとギャンブルとの相関を見ながら、投資としての危険性についてまとめてみたいと思います。

「投資=ギャンブル」なのか?

よく、「投資は危ない」とか「投資とギャンブルは同じ」という言葉を耳にします。投資とギャンブルは確かに似ている面もありますが、その本質は大きく異なります。バイナリーオプションが危険な投資かどうかを考える前に、まずは、投資とギャンブルの違いを理解する必要があります。

■日本経済新聞 投資と投機、ギャンブルはどう違う
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このように、ギャンブルは胴元の存在があるために、そもそも得られる利益よりも損失が大きく、利益を出し続けるためには勝率50%では足りません。一方、投資は証券会社のような胴元は存在しますが、ギャンブルに比べて運営料(てら銭)は少なく、勝率はほぼ50%あれば利益を出し続けることができます。

そして、投資はリスクとリターンに相関関係がありますが、ギャンブルにはそれがありません。本当に「運」のみです。どれだけ資金をつぎ込んでも、勝てる時は勝てますが、勝てない時は全く勝てません。一方の投資は、リスクを許容すれば、100%ではないものの、それに見合ったリターンが見込まれます。よって投資とギャンブルは、利益を出し続ける難易度が異なる上に、リターンを得るためのロジックが本質的に異なるのです。

また、日本人は特に、投資に対するマイナスイメージが強いようです。額に汗水流してお金を稼ぐことは正しく、大した苦労もなくお金を稼ぐ投資は正しくない、そんな風潮があるようにも思います。しかし、投資も脳に汗をかかなければ決して稼ぐことはできません。額に汗水流すことと違いはないと思うのですが、いかがでしょうか?

バイナリーオプションの取引方法と運営料(てら銭)に見る危険性

では、バイナリーオプションは投資でしょうか?それともギャンブルでしょうか?バイナリーオプションの代表的な取引である「HIGH & LOW」を例に、投資家の得られる利益と業者の得られる利益を計算してみましょう。
まず、「HIGH & LOW」のルールですが、FXトレードフィナンシャルのWebサイトによれば、一定時間後の価格が目標レートよりも「高い」か「低い」かを予想し、的中すれば掛金に応じた利益が得られ、予想が外れると掛金を没収される、というものです。非常に明快なルールですね。

■FXトレードフィナンシャル バイナリーオプションの種類
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では、業者の運営料(てら銭)はどの程度でしょうか?取引毎に手数料を負担することがないため、一見すると「てら銭は取られていない」と思われがちですが、実際はそうではありません。あなたの気付かないところで、てら銭はしっかり徴収されていますよ。例えば次のイメージを見てください。
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これは、バイナリーオプションの実際の取引画面です。ここでは、「97.470」「97.420」「97.370」「97.320」の4種類の目標レートが表示されていますね。それぞれの目標レートの右側にHIGHとLOWの掛金が表示されています。そして、見事的中した場合にペイアウトされる金額はどれを選択しても10,000円です。よって、10,000円から掛金を引いた額が得られる利益になります。

では、業者はどのようにてら銭を得ているのでしょうか?バイナリーオプションの取引は、HIGHかLOWの二者択一ですので、参加する投資家が増えれば増えるほど、HIGHとLOWの割合は1:1に限りなく近づきます。よって、あなたが勝った場合に業者が支払う金額と、あなたが負けた場合に業者が得る金額の差が業者の取り分であり、てら銭になります。それぞれの場合のてら銭を計算してみましょう。

【計算式】
てら銭 = あなたが負けた場合に業者が得る金額 – あなたが勝った場合に業者が支払う金額

97.470の場合HIGH: 2,600 - 7,400 = ▲4,800LOW: 8,600 - 1,400 = 7,200
▲4,800 + 7,200 = 2,400
97.420の場合HIGH: 5,200 - 4,800 = 400LOW: 5,900 - 4,100 = 1,800
400 + 1,800 = 2,200
97.370の場合HIGH: 8,000 - 2,000 = 6,000LOW: 3,100 - 6,900 = ▲3,800
6,000 + ▲3,800 = 2,200
97.320の場合HIGH: 9,900 - 100 = 9,800LOW: 1,200 - 8,800 = ▲7,600
9,800 + ▲7,600 = 2,200

というわけで、4つのどの目標レートを選択しても、業者は必ずてら銭を得るようなカラクリになっており、非常に良く考えられていますね。裏を返せば、業者は必ず損をしないわけですから、投資家が必ず損をしている(本当はもっと利益を得られる)ことになるのです。

ただ、前提条件にも書きましたが、HIGHとLOWそれぞれに掛けた投資家の割合がほぼ1:1の場合です。このてら銭の理屈を理解したうえで、その時の相場の動きで最も確度の高い目標レートとHIGH/LOWを多くの投資家が選択すれば、HIGHとLOWにかける投資家の割合が大きく偏り、業者はてら銭を得るどころか多額のペイアウトを行うことになり、投資家は本来の正しい利益が得られるようになります。

バイナリーオプションは危険な投資法ではない?

このように、業者のてら銭を得るロジックを理解した上で取引すれば、あなた自身が得られるはずの利益をきちんと確保でき、損をする確率は大幅に抑えることができます。相場は100%先読みできるものではないため、100%損をしないことはありえません。が、それは株式やFXのような他のまともな投資法も同じであり、同様のリスクを持つバイナリーオプションも危険な投資法ではないと言えるでしょう。(※HIGHとLOWそれぞれに掛けた投資家の割合がほぼ均等、という前提です。)

バイナリーオプション国内業者の口座開設数は右肩上がり

バイナリーオプションの海外業者はあまり情報開示を行っていませんが、国内業者は情報開示が進んでいます。FXトレード・フィナンシャル(FXTF)は元々FXの業者ですが、バイナリーオプションも扱っており口座開設数をWeb上で公開しています。

■FXトレード・フィナンシャル(FXTF) バイナリーオプション口座数 1万件突破のお知らせ
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口座開設数の推移を見てみますと、2014年1月には、わずか2,888口座でした。それが2015年2月28日には、遂に10,000口座を突破しており、僅か1年で3倍以上に拡大しています。
ある特定の国内業者に開設された口座数が、1年で3,000から10,000に増えているわけですから、バイナリーオプション業者全体で見ると、間違いなく口座開設は増えていると考えてよいでしょう。

実際に取引している口座数はどの程度か?

しかし、口座数が増えたとしても、「そもそも取引をしていない」、「負けてばかりで利益を出せていない」口座ばかりであれば、それこそ「バイナリーオプションは稼げる」という旨い話に踊らされた多くの人達が口座開設し、酷い目に遭っていることになります。その事実を明らかにするために、バイナリーオプションの国内業者が開示している月次取引実績を見てみましょう。

■一般社団法人 金融先物取引業協会 個人向け店頭バイナリーオプション取引状況(月次)

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ダウンロードしたExcelの「月次総括表」を見ると、次のような項目が記載されていますね。
・顧客口座数: バイナリーオプション業者各社から報告された口座数
・設定口座: その月末時点までに開設された累計口座数
・取引実績口座: その月内に取引が行われた口座数

2014年1月には、262,552の設定口座、12,937の取引実績口座でした。それが2015年7月には、323,236の設定口座、14,642の取引実績口座になっています。1年半で設定口座は1.23倍、取引実績口座は1.13倍に増加しています。一方、設定口座に対する取引実績口座の割合は4.9%から4.5%に下がっており、口座開設数が増えている割には実際の取引に使用されている口座が少ない、という状況が見えてきます。

2014年の年間トータルで利益を出せた口座数はどの程度か?

では、一番気になる損益状況ですが、同様にダウンロードしたExcelの「顧客損益」を見てみましょう。
・損失顧客率: 月内の取引で損益合計がマイナスとなった投資家数÷月内に取引を行った投資家数
損失顧客率: 月内の取引で損益合計がマイナスとなった投資家数÷月内に取引を行った投資家数

損失顧客率は、その割合が大きいほど損をしている投資家が多い、ということです。業者によって差異はありますが、前述のFXTFの場合は2014年1月が80.6%、2015年7月が80.9%と、大きな変動はありません。他の月を見てもおおよそ80%前後で推移していますので、バイナリーオプションの8割の投資家は負けており、一方でコンスタントに2割の投資家は勝ち続けている、と言えるでしょう。

この2割という数字を大きいと感じるか、小さいと感じるかは個人差があります。2割すなわち、5人に1人が常に利益を出している、という数字は、「投資で稼ぐことは決して簡単なことではない」という現実味のある数字ではないでしょうか。

【結論】バイナリーオプションは怪しい投資ではない。

以上のことからバイナリーオプションは、少なくとも投資初心者がバイナリーオプションについて何も勉強せずに楽して稼げる、という旨い話の類ではないと言えるでしょう。眉唾の怪しい投資ではなく、株式投資などと同じように、稼ぐためには最低限の勉強やトレーニングが必要な「まとも」な投資です。しかし、5人のうち1人は利益を出し続けることができている、という事実もあります。これは、何らかの定常的に利益を出し続ける方法が存在するという事実の裏返しとも受け取れます。

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